今、ペットの世界にも高齢化、長寿化、介護という問題が起きています。気が付けば愛犬もシニアと呼ばれる世代に差し掛かっているという方も多いでしょう。犬の年齢では6歳を超えるとシニアと呼ばれる対象です。シニア期を迎えた愛犬には健康を第一に考えた食生活に切り替えてあげましょう。
シニア犬のドッグフードはいつ切り替える?
犬は6歳を迎えるとシニアと呼ばれる年齢に差し掛かります。この年齢は人間であれば60代に当てはまります。犬の平均寿命は10~15年ほどですから残りの時間は「シニア」として過ごすことになるのです。
もちろん人間同様犬達も加齢によって健康面に様々な変化がみられるようになります。
例えば
・運動量の低下
・体力の低下
・消化吸収機能の低下による下痢や消化不良
・持病の悪化
・皮膚トラブルの増加
・発癌
などです。
また中には内臓機能は問題がないものの、口内にトラブルがあり深刻な歯周病や歯垢や歯石による虫歯を患っていることもあります。
このような状態で暮らす愛犬に、これまでと同じ食生活を送らせることは決して好ましいことではありません。
愛犬の食事は子犬の成長期が終わり、成犬用に切り替えその後は何年も同じ、切り替えていないという方が多いでしょう。これからは愛犬の変化に応じた内容に見直しが必要です。
ただ愛犬にとって食べなれた食事が突然切り替わってしまうことは決して単純なことではありません。中には戸惑い、食欲不振に陥ってしまうこともあります。切り替えには1~2週間ほど時間をかけゆっくりと勧めてあげましょう。
また最近は年齢による切り替えが不要とする製品も人気を集めています。このような製品では製品自体の切り替えは不要でも毎食の給与量の見直しが必要です。愛犬の体重や排便の状態から判断し適量になるよう調整をしてあげましょう。
また口内トラブルから固い物を食べることが出来ない、胃腸の機能低下からたびたび下痢や便秘をするという場合はドライフードを水でふやかし与えることで改善されることもあるので、ぜひ取り入れてあげてください。
シニア犬の1回あたりの食事の量
小型犬
加齢とともに徐々に食欲のムラ、好き嫌い、食べ残しが目立つようになります。若く健康な頃に比べ変化が起こるのは当然のことです。ただこの時、安易に嗜好性の高い製品に切り替えることは好ましくありません。人工添加物で強められた風味に刺激され、勢いに任せて食事をすることで、消化不良につながることもあります。愛犬の様子を見つつ、適量を見極め食事量の調整をしてあげましょう。
中型犬
徐々に運動量が低下し、食事への関心が薄まることがあります。以前に比べ食事に時間がかかるとうことも増えるでしょう。愛犬の食事の様子をよく観察し、硬いものが食べにくい、食事に時間がかかるという場合は一回当たりの食事の分量を減らし、食事の回数を増やす、少量小分け式に切り替えてあげましょう。少量ずつ食べることで、胃腸への負担も軽減されるからです。
大型犬
勢いよく食事をする、飲み込むように食べることが多いので、なかなか異変に気が付きにくいという傾向があります。食後の様子や排便の状態から愛犬の食事が適量か成分が体質に合っているかを見極めてあげましょう。
高齢になると胃腸機能が低下します。食後1時間ほどは安静にさせゆっくりと過ごさせてあげましょう。散歩など運動は必ず食前に済ませておきましょう。
食後に嘔吐がみられる場合は、食事の量が多すぎることも考えられます。一回あたりの分量を減らし、様子を見てあげましょう。
シニア犬の食事の頻度は少量小分けで複数回が理想
市販のドライフードは摂取後、胃腸内で水分を吸収すると3~5倍に膨張します。この膨張が原因で胃の膨満感を覚えたり、消化不良が起きたり、時には腸ねん転を起こすこともあります。
本来であれば食後は安静に静かに過ごすことで、ゆっくりと時間をかけ消化を進めるべきところですが、なかなか飼い主の望むようには過ごしてもらえないものでしょう。
また中には食欲は旺盛で、食事も喜ぶものの、食事の直後に嘔吐をする、下痢が慢性化するということもあります。このような症状は低下している胃腸の機能が食事を処理しきれていないことも考えられます。
高齢になった愛犬に出来る限り負担をかけずに食事をさせるには「少量、小分け、複数回」が理想的な方法です。
具体的には
- 愛犬の一日量の食事を計量し用意します
- 食事の回数を一日に5~7回設けます
- 都度の分量は均等でなくても問題ありません
- 一日量を完食することを目指し与えましょう
例えば朝、昼、夜という3回の食事に加えオヤツとして与えたり、知育玩具に詰め込み与えるという方法もおすすめです。
犬の脳には満腹中枢機能がないので、毎回の食事で満腹に成ることはあり得ません。たとえ食事の分量が毎回均等でなくても構わないのです。大切なことは一日の必要量を摂取しきれていることです。
もし一日量を摂取し続けているにも関わらず嘔吐や下痢が続く、体重が減少してしまうという場合は安易に分量を増やすのではなく、動物病院を受診しましょう。場合によっては胃腸に持病を抱えていることで栄養素の摂取、吸収が出来ていないことも考えられるからです。
シニア犬のドッグフード選びのポイント
シニア犬用ドッグフードを選ぶときは下記の点を必ず確認しましょう。
良質な動物性タンパク質を十分な量配合していること
犬にとって動物性タンパク質は必須栄養素であり、日々の食事から最も大量に摂取しなければならない栄養素です。シニア用フードの中には低脂肪、低カロリーを実現するために肉や魚を配合せずにトウモロコシや大豆で代用をする製品もあります。しかし最新の栄養学ではこのような製品による食事は慢性的な栄養素不足が起き、好ましくないとされています。購入時には必ず主原料(この製品に最も多く含まれている栄養素)がなにか?をしっかりと確認しましょう。
動物性油脂など過度な脂肪分の配合がないこと
高齢になると脂肪分分解、消化吸収が胃腸の負担になります。正しく消化吸収されなかった成分が皮脂となり皮膚トラブルや外耳炎、涙やけを悪化させることもあります。人間が高齢になると脂っこい食べ物を苦手と感じる仕組みとまるで同じです。ドッグフードに含まれる動物性油脂には食欲を増進させる効果、肉に似た風味を出す効果があるものの、シニアには不向きな成分なので、配合されていない製品を選んであげましょう。
副産物や肉骨粉など消化吸収に負担になる原材料が配合されていないこと
原材料欄に記載されている副産物という表記は、肉そのものではなく骨や皮、皮膚、被毛という意味です。精肉の過程で生じるこれらの廃棄部位を粉砕し、肉の量増しに用いているとう意味です。これらの原材料も当然シニア犬の消化吸収には負担になる上に、十分な栄養素が含まれていないことからも不適切だという事がわかるでしょう。
愛犬のアレルギー源となる原材料が配合されていないこと
今やどの犬も何かしらのアレルギーを抱えています。高齢になると皮膚機能が低下し、過敏になっている上に、回復力も低下しています。万が一確認不足からアレルギー源となる製品を与えてしまうことで、辛い症状をもたらす結果になるのでくれぐれも注意しましょう。愛犬のアレルギー源がわからないという場合は動物病院で簡易的な血液検査を受け調べることが出来るので、まずは相談をしてみましょう。
添加物や合成保存料の配合がなく、安全性が高いこと
市販のドッグフードには人体に有害とされる添加物や保存料が配合されていることが多々あります。犬への有害性が証明されていないからという理由で配合をうやむやなまま継続する企業もあることから、飼い主の目線で選ぶ抜くことが必要です。愛犬が毎日食べる主食ですから有害な物質や摂取する必要のない物質の配合は控えることが賢明です。
増粘剤など歯垢や歯石の原因となる成分が配合されていないこと
高齢になると食欲の減退や硬いものを食べにくくなるという問題が起こります。この時頼りになるのはウエットフードでしょう。食べやすく、風味もよく、手軽なことから毎日与えるというご家庭も少なくありません。ただウエットフードには増粘剤という成分が配合されていることが多々あります。これは製造工程で成分を固形化したり、素材の型崩れを防ぐための成分です。この成分は犬の歯の表面に付着すると唾液では流しとることが出来ず、残留し歯垢や歯石、雑菌繁殖の原因になることがあります。ウエットフードには様々な種類があるので、必ずこの成分の配合の有無を確認し、より安全性の高い製品を選んであげましょう。
シニア犬の健康は大変個体差が大きく、市販の製品だけでは栄養バランスが不十分なこともあります。
そのような場合はサプリメントを上手に取り入れ、愛犬に不足している成分を補ってあげましょう。
シニア犬におすすめの市販されているドッグフード
ニュートロ シュプレモ エイジングケア
ニュートロブランドの中でも良質な素材の厳選にこだわり作られているシリーズのシニア向け製品です。主原料はチキンを用いていて、高齢犬の消化吸収への配慮がうかがえます。量販店やペットショップで購入できることも魅力です。同シリーズでウエットフードも発売されているので、愛犬の好みや食欲に応じてトッピングも考えてあげましょう。
ニュートロシリーズはペットショップでも子犬のお世話に用いることが多く、以前から食べなれているというご家庭が多いでしょう。シニアになってからの食事の切り替えはとてもデリケートなので食べなれた製品に切り替えることは愛犬の負担軽減にもつながるので、おすすめです。
ロイヤルカナン 犬種別シニアフード
ロイヤルカナンからは様々な犬種専用製品は発売されています。同じ犬といっても犬種毎に骨格も体質も様々です。当然必要となる栄養量も異なります。高齢になった愛犬の健康や食事に関するお悩みをスムーズに解決でき、何より選びやすいと多くの飼い主さんから評価されています。
シニア用製品の場合、歯や顎が弱くなっている場合も想定されているので、食べやすい粒の形状であり、ふやかしやすい成分に工夫し開発されています。またロイヤルカナンは嗜好性の高さにも定評があるので、小型犬の飼い主さんから特に高い評価を得ているブランドでもあります。
Eukanuba スモール シニア
世界的に有名なドッグフードブランドが手掛けるシニア向け製品です。主原料には鶏と七面鳥を配合しています。いずれもアレルギー発症リスクが低く、低脂肪で高い消化吸収率を誇る動物性タンパク質です。シニア犬が食べやすい独特な粒の形状は、歯垢や歯石の対策も念頭においた形状に仕上がっています。
シニア犬の健康を考えるならプレミアムドッグフードがおすすめ!
エアドライ・ドッグフード NZフリーレンジチキン
https://www.green-dog.com/brand/zwpk.html
ニュージーランドでつくられているZiwiPeakは犬本来の食性を考慮し、穀物を使用せず上質な動物性タンパク質をふんだんに配合し作られています。エア・ドライフードという半生状のジャーキータイプの新しい食感が特徴です。この食感は生肉と生レバー、生心臓などの内臓をバランスよく配合することで実現しています。
高齢になり歯や顎が弱っている、消化吸収に負担がかからない製品を選んであげたいという時におすすめです。
ラインナップが豊富でチキン、ラム、ベニソンとメインとなる動物性タンパク質の種類を選ぶことが出来るので、アレルギーがある場合でも安心して与えることが出来るでしょう。
アーテミス アガリクスI/S 小粒
免疫力促進効果のあるキノコとして一大ブームを巻き起こしたアガリスクを配合した製品です。シニア期を迎えると自己免疫の低下から持病の悪化や発病が多くなります。犬の病気は早期発見が難しいとも言われています。愛犬に少しでも元気に長生きをという願いを込めて、このような成分の活用も注目を集めています。ドッグフードの成分として配合されているので、サプリメントに比べ手軽で与え忘れることがないと好評です。
ヤラーシニアドッグフード
https://lechien.life/dogfood/yarrah/
世界でも珍しいオーガニック認定を受けた素材で作られた高品質なドッグフードです。シニア向け製品は消化吸収がスムーズでアレルギー発症リスクが低いとされる鶏肉を主原料に用いています。
ヤラードッグフードは嗜好性の高さにも定評があり、減退しがちな食欲にお悩みな場合におすすめです。やや価格が高額なこともあり、ペットショップの店頭で取り扱いが少ない製品なので、購入は通販がおすすめです。
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