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犬の肝臓の病気って?肝臓病の症状とおすすめのドッグフード、食事法を紹介

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2019.02.28

犬も私たち人間も同じ哺乳類ですので、内臓の作りなどはとてもよく似ています。人間も、肝臓は「物言わぬ臓器」などと言われ、病気になっても自覚症状がなく気付きにくいと言われていますが、犬も同じです。

肝臓の役割や肝臓の病気についてご説明しながら、肝臓疾患をもっている犬におすすめのドッグフードをご紹介します。

 

肝臓の役割

体の中で最も大きい臓器である肝臓は心臓から送られる血液の約25%が供給されます。肝臓に流れ込む静脈血には体の各臓器から集められた毒素が溶け込んでいますが、肝臓はそれを化学的に処理して解毒し胆汁や尿として体外に排出する役割を果たしています。

一般的に肝臓の働きとしてはこの解毒作用が有名ですが、それ以外にも糖やタンパク質、脂質、ホルモンの代謝や血液凝固因子の産出、ビタミンの合成・貯蔵など、さまざまな役割を果たしています。このように肝臓はとても重要な働きをする臓器なのです。

さらに、傷ついても再生性が優れている上、痛みを感じる神経が存在しないので、肝臓に疾患ができてもなかなか自覚症状が出ません。
そのため、自覚症状が何かでたときには体全体に影響が出てしまう可能性もあります。血液検査などで肝臓疾患は早期発見できるよう心がけましょう。

肝臓疾患についての診断法は血液検査とレントゲン、超音波、CTなどの画像診断を組み合わせることが多く、確定診断のために肝生検を行うこともあります。

 

主な肝臓疾患と症状

一般的に肝臓疾患を発症すると共通の症状が現れます。主な症状は

・食欲不振

・嘔吐

・下痢

・元気消失

・黄疸

・黒色便(メレナ)

・水を飲む量が増える

・痩せる

などがあります。しかし、肝臓疾患の場合は慢性の場合には自覚症状がないものもあります。具体的な肝臓疾患には肝炎、門脈シャントなどがあります。順にその原因と症状についてご説明します。

 

<肝炎>

肝炎には急性と慢性があります。急性肝炎には原因となる病気があります。それは原因が何であるかによって異なり、主な病気は以下の3つがあります。

  • 犬伝染性肝炎

アデノウィルスI型に感染することで発症します。感染の原因としては、感染犬の体液(唾液、尿、鼻水など)や便に接触することがあげられます。高熱、下痢、腹痛などの症状が現れます。症状は軽症なものから重症なものまでさまざまですが、子犬が感染した場合には重症化しやすく、ワクチン接種前の場合は死亡することもあるので注意しましょう。回復した後も半年ほど尿などにウィルスが含まれますので、他の犬へ感染させてしまいますから散歩のときなどには十分注意をしましょう。

  • レプトスピラ症

細菌の一種であるレストスピラ菌に感染することで発症します。レストスピラ菌に汚染された土と接触、感染した犬の体液に触れるなどで感染します。症状が現れずに自然に治ってしまう場合もありますが、この場合も排尿した尿の中にはレストスピラ菌が含まれます。症状がある場合は出血する場合や黄疸がでることがあります。出血がある場合には高熱、食欲不振、嘔吐、血便などの症状がでます。黄疸が出る場合の方が重症です。回復後も長期にわたり尿などにレストスピラ菌が含まれますので、犬伝染性肝炎同様、注意しましょう。

  • 好酸球性肝炎

白血球の一種である好酸球が増加することで発症します。アレルギーや寄生虫が原因で増加すると言われています。好酸球が増加することが原因の病気は肝炎以外にも髄膜炎や胃腸炎などさまざまです。症状は他の原因となる肝炎と同様で食欲不振や嘔吐、下痢などです。

 

これらの病気以外にも、薬物中毒が原因で急性肝炎を発症することがあります。中毒症状を起こす薬物としては銅、抗けいれん剤、硫酸トリメトプリム、ジメチルニトロサミン、オキシベンダゾールなどがあります。

また、怪我などによる腹部の損傷によって急性肝炎を発症することもあります。

急性肝炎の場合はその原因によって治療法はことなりますが、早い治療が大切ですので、症状が現れたらすぐに獣医師の診察を受けましょう。急性肝炎を放置しておくと慢性肝炎となってしまうケースが多いです。

では、慢性肝炎とはどのようなものか、ご説明します。慢性肝炎とは軽度な肝炎による肝臓の損傷と自然治癒を繰り返すことで肝臓に長期にわたって炎症があり、肝臓の繊維部分が占める割合が増加してしまい、正常な肝細胞を失うことで肝機能が低下することを指します。慢性肝炎を発症しないためにも、自覚症状のある急性肝炎を発症した場合は獣医師による適切な治療をして、完治しましょう。ただし、慢性肝炎には遺伝的要因があることもあり、次にあげる犬種は6歳ごろから慢性肝炎になりやすいと言われています。

  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ベドリントン・テリア
  • スカイ・テリア
  • ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • アメリカン・コッカ―スパニエル
  • イングリッシュ・コッカースパニエル
  • ラブラドール・レトリーバー
  • スタンダードプードル

 

<門脈シャント>

門脈とは肝臓に入る血管の一つで、脾臓や消化管を経た静脈血が肝臓に入るための血管です。門脈と全身の静脈を結んでしまう余分な血管のことを門脈シャントと呼びます。
門脈シャントが形成されてしまうと肝臓で無毒化されるべき毒素や有害物質が肝臓で処理されることなく直接全身をめぐってしまいます。
門脈シャントが形成された場合、肝性脳症を引き起こすことも多く、一時的に目が見えなくなったり、ふらつきや痙攣をおこしたり、よだれを垂らすなどの症状が現れます。原因としては先天的なものが多いですが、重症化した肝炎や肝硬変、持続的な門脈高血圧などが原因で後天的に発症することもあります。
先天的に門脈シャントが形成されやすい犬種としては次の犬種があげられます。

  • シェットランド・シープ・ドッグ
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ヨークシャー・テリア
  • シーズー
  • ラブラドール・レトリーバー

先天性が原因の場合は手術によって門脈シャントを取り除くことで完治することも可能です。

 

肝臓疾患がでてしまったら?

ワンちゃんが肝臓疾患を発症してしまったら、どうしましょうか。急性な場合と慢性な場合では対応が異なりますが、共通することは肝機能を回復するためには何をしたらよいか?ということです。肝臓に十分な酸素や栄養が行き渡らなければ傷ついた肝細胞を修復することはできません。そのためには肝臓に供給される血液量を増やすようにしましょう。

急性の場合は、さきにも述べた通り、原因によって治療法が異なりますので、獣医師の指示に従い、適切な治療を施しましょう。このとき、自宅では安静にしてることが一番大事です。

慢性の場合は、安静にしすぎることなく、適度な運動を心がけましょう。慢性化した肝臓疾患の場合は適度な運動と日々の食事が最も大切な対処法です。ただし、食後の30分から1時間程度は肝臓に負担をかけないように安静にするようにしましょう。食後は血液の多くが消化吸収のために働きます。血液によって運ばれた栄養素を代謝したり、発生した有害なものを解毒したりする作用が肝臓にはありますので、食後に運動してしまうとこれらの機能が低下します。

 

食事療法で肝臓疾患を改善

肝臓疾患をよくするには食事療法が最も大切です。どのような点に気を付ければよいのかをいくつかご紹介します。

 

<量>

一日の食事量を変えない場合は、1回の食事量を減らして回数を多くしましょう。これは食後の肝臓へかかる負担を減らすためです。

 

<内容>

タンパク質の質と量に注意しましょう。タンパク質は肝臓を再生するのに必要な栄養分です。ただし、重症な場合には摂取制限をする必要がある場合もあります。これは、タンパク質を代謝するときにでたアンモニアを肝機能が低下しているときには解毒できないからです。タンパク質を基礎代謝(生きてい行く上でのエネルギー)にまわしてしまうと、肝心の肝臓を再生するために使えなくなってしまいます。これを避けるためには炭水化物を十分に摂取しましょう。

肝臓疾患の場合には脂質代謝異常、内分泌疾患、胆嚢疾患であることもあり、その場合には脂質は控えましょう。

肝機能が低下すると肝細胞内に銅が蓄積されることがあります。このとき、活性酸素や肝細胞に障害を与えるとされるフリーラジカルが産出されてしまうので、銅の摂取は控えましょう。また、銅の血管への吸収を抑えて亜鉛や活性酸から体を守ってくれる抗酸化物質を摂取すると良いでしょう。にんじん、ブロッコリー、かぼちゃなどビタミンを豊富に含む食品には抗酸化作用があり、かつおぶし、玄米などは抗酸化作用をもつ酵素であるセレンを多く含む食品です。

進行した慢性肝炎や肝硬変で腹水や浮腫がある場合にはナトリウムは控えましょう。

 

これらのことを考慮して手作りのドッグフードを与えることもできますが、毎日のことで、なかなか大変だと思います。

完全に手作りに切り替えるのではなく、通常フードと併用することで肝臓の数値が高めなだけのある程度の軽度な肝臓疾患でしたら、改善がみられる場合もあります。

我が家のワンコも健康診断で肝臓の数値が高めに出てしまい、鶏のささ身肉(生肉)と食塩無添加の鶏のささ身缶(水煮)を鍋で缶の水と一緒に炒めて水分を飛ばしたものを少量通常のフードにトッピングとして毎日与えています。

鶏のささ身肉は低脂肪なので、太りやすい我が家のワンコにも安心して与えられます。また、食欲をそそる匂いのようで、ささ身を与える前よりも食いつきがよくなりました。トッピングを与えるようになってからは肝臓の数値は安定しています。

しかし、トッピングと言いども、毎日のことで大変ですし、重度な肝臓疾患になってしまったときには肝臓病用の療法食に切り替えることも一つの選択肢です。

 

肝臓病用の療法食と低脂肪の療法食、どちらがいいの?

肝臓疾患のワンちゃんのためにはどのような食事がよいのかを調べていると、肝臓病用の療法食と低脂肪の療法食にであうことでしょう。

ワンちゃんのために、いったいどちらの療法食の方がいいのか?飼い主さんが迷うところだと思います。ここではこの二つの特徴と、どういった場合にどちらの療法食がよいのかご紹介します。

 

肝臓疾患による症状に対応している肝臓病用の療法食は進行した重度の肝臓疾患、高アンモニア血症や肝性脳症には適しています。

肝臓病用の療法食とはどのようなフードなのでしょうか?その特徴をご紹介します。

肝臓病用の療法食とは

<食欲低下対策>

肝臓疾患の場合は食欲が低下することがあるので、少しの量でも高エネルギーを得ることができるように工夫されています。また、嗜好性が高く、食欲が低下した犬でも喜んで食べてくれます。

 

<肝臓の負担を減らす対策>

高消化性のタンパク質や高消化性の炭水化物を使用して、食後の肝臓への負担を減らす工夫がされています。

 

<タンパク質の量を制限>

高アンモニア血症や肝性脳症の対策としてタンパク質の量を制限しています。タンパク質は肝臓を再生するのに必要な栄養素ですが、同時に代謝のときにアンモニアを生成してしまいその解毒によって肝臓に負担をかけてしまいます。そのため、肝臓病用の療法食では適量に調整されています。

 

<その他>

銅、ナトリウムを制限して亜鉛や抗酸化物質を強化しています。

 

このように、進行した肝臓疾患の場合には肝臓病用の療法食が効果的です。

しかし、肝臓病用の療法食はタンパク質を制限しているため、進行していない場合は低脂肪の療法食の方が効果的なこともあります。

具体的にはどのような場合には低脂肪の療法食の方が効果的であるか、ご紹介します。

低脂肪の療法食とは

・血液検査で肝臓の数値が高くなっているだけで他の所見に異常がない場合

・食生活が原因の軽度の肝臓病

・脂質代謝異常の場合

・内分泌疾患の場合

・胆嚢疾患の場合

 

これらの場合には肝臓を再生するのに必要なタンパク質を十分に摂取する必要があり、脂質を控える必要があるので、低脂肪の療法食がお勧めです。肝臓の数値としては、以下の数値が目安と言われています。

・ALT(GPT) 70以上

・AST(GOT) 50以上

・ALP    150以上

・アンモニア 80以上

 

〇肝臓疾患のあるワンちゃんにおすすめのドッグフード

肝臓病用の療法食はいろいろとありますが、その中でも獣医師が研究開発したものなど、専門家が開発、監修した商品は信頼できそうですよね。ワンちゃんの嗜好もあるので、食欲が低下しているときにはワンちゃんの食べやすいものを選ぶことが一番ですが、飼い主さんがどの療法食を選んだらよいか迷ったときには、次にご紹介するフードはいかがでしょうか?

 

  • Daily Style 犬用食事療法食 肝臓サポート(ドッグフード)

https://www.shukunami-vet.jp/treatment/liver-f.html

獣医師である宿南章氏が開発した肝臓病用の療法食で、アメリカのカリフォルニア大学デービス校付属動物病院の肝臓治療用のフードのタンパク質バランスを参考にしています。

生肉を食べていたオオカミを祖先にもつ犬にとって高温、高圧の調理法は避けた方がよいのではという考え方から、78度という低温で時間をかけて調理しています。

楽天市場での口コミでは「ウチのコはもう14歳で胆泥症が悪化して入院したりで食欲も大変落ちてましたが、こちらの肝臓サポートをお試しで購入して神頼みで食べさせましたが美味しそうに食べてくれ追加注文しました。今は元気にしてます。ありがとうございます。」と高評価です。

 

  • みらいのドッグフード 【薬膳】特別療法食KA(肝臓用)

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一般的には高消化性の炭水化物を使用している肝臓病用の療法食ですが、消化がよいため食後の血糖値が急上昇してしまいます。そのため、このフードではあえて難消化性タンパク質である大麦やサツマイモを使用して血糖値を上げにくくする工夫をしています。これは「進化する肝臓対策」であり、「みらいの」と銘打っている理由でもあります。また、タンパク質として鹿肉や魚肉を使用している点も特徴です。熟成鹿肉はワンちゃんにとっては最高に食欲をそそる食材で、しかも高消化性であり、低脂肪、高カルシウム、低アレルゲンと、良いことづくしな動物性タンパク質です。その上、36種類以上の栄養成分からなる「薬膳」レシピもこのフードの特徴です。西洋医学と東洋医学の融合から生まれた、ワンちゃんに優しい新時代の肝臓病用の療法食と言えるでしょう。ただし、人間も食べられる安全基準であるヒューマングレードを満たしているため、他の療法食とくらべて高額であることが難点といえるかもしれません。

インスタグラムの投稿などでは「トッピングありで食べてくれた」「拾えるレベルの軟便まで改善された」などの評価がありますが、楽天市場、アマゾン、ヤフーショッピングでは取り扱っていないので、口コミなどはありませんでした。

 

  • ロイヤルカナン 肝臓サポート ドライ

https://www.royalcanin.co.jp/vets/product_dogs/HEPATIC+DRY/

ロイヤルカナンはフランスのプレミアムフードとして日本でも有名です。さまざまなラインナップの中に、肝臓病用の療法食もあります。他の療法食同様に大豆分離タンパク質などの高消化性のタンパク質を使用し、その量も標準的な同社のドッグフードと比較して35%も少ない16%に抑えていて高アンモニア血症や肝性脳症を患っている重症なワンちゃんも安心して食べられます。またビタミンやタウリン、ルチンといった抗活性酸素物質(抗酸化物質)を複数配合しています。

アマゾンの口コミでは「肝臓の数値がさがっていきました」「暑さもあってドライフードを食べなくなっていたのが、これは喜んで食べた」「犬状態はあまり良くなく、すがる気持ちでしたが今は状態も良く、モリモリ食べてリピート買いの検討中です」などの高評価も多い中「体臭が変わってしまった」などの評価も一部見受けられました。

 

まとめ

ワンちゃんが肝臓疾患になってしまったときには、食事療法が最も効果的だということがわかりましたね。特にタンパク質の量や割合が重要で、軽症の場合と重症の場合では療法食も異なる物を与えた方が効果的です。大事な家族の一員のワンちゃんが健康で一日でも長く一緒に暮らせるように、飼い主さんは日夜悩んでいることでしょう。肝臓疾患にはストレスも大敵です。上手に療法食を利用して、飼い主さんもワンちゃんもストレスを感じないようにしたいですね。

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