海外はよく、「動物に対する理解が日本よりも進んでいる」と言われていることをご存知でしょうか?逆に言うと、日本は他国に比べてペットに対する意識が低く、動物関連の法整備で大きな遅れを取っています。そのことから、ペットフードに関しては海外の方が品質が良いと言われているのです。
しかし、日本と言えば食の安全性では世界でもトップレベルを誇っています。日本に住んでいると、どうしても国産の方が良いのでは?と考えてしまいますよね。それに、海外のものだとメーカーも知らないし、CMもないので不安に感じてしまうものです。輸入している期間中に、賞味期限が迫って新鮮さが失われる点も心配ですよね…。果たして、輸入されてくる外国製のドッグフードは安全なのでしょうか?
輸入(外国製)のドッグフードって輸送はどうなってるの?
皆さんは、外国製のドッグフードを輸入する際、どのようにして運ばれてくるかご存知ですか?早さだけで言えば飛行機が最も早いのですが、重くかさばる商品の場合には船で運ぶのが最もコストを抑えられます。よって、多くの場合は船によって日本へ輸入されてきています。輸入にかかる期間は早くても2週間、遅い時は2か月くらいかかることもあるなど、メーカーや業者によって様々です。もちろん、製造を行っている国によっても変わります。
また、輸入の際には「リパック」が行われることもあります。海外のドッグフードは大型犬を基準に製造されていることが多いため、1袋の量が多く、小型犬が人気の日本にはふさわしい商品ではありません。そのため、一度商品を開封して、別の小さな袋に入れ直すという工程を踏むことがあります。リパックを行うことで日本人向けの商品に生まれ変わるだけでなく、コストが抑えられ、結果的に安くお客さんに提供することができます。
輸入(外国製)のドッグフードの賞味期限はどの位?
遠くの国からワンちゃんの食品を輸入してくるとなると、気になってくるのが賞味期限です。ドッグフードの賞味期限は、一般的なドライフードで1年ほどとなっています。その名前の通り、長期保存を可能にするためにしっかりと乾燥させた食品なので、水分によって腐ることがありません。しかし、日数が経過する毎に食べ物は酸化するため、栄養素や味が少しずつ損なわれていきます。
つまり、輸入している間も品質は少しずつ損なわれてしまっているということです。例えば、もともと賞味期限が1年のドッグフードが1か月かけて輸入されるとなれば、賞味期限は11か月となってしまいます。しかし、保存の効く商品なので数週間~1か月程度の遅れをそこまで気にする必要はないでしょう。鮮度が少し落ちるだけで、安全性については全く問題ありません。
それよりも、注意したいのが賞味期限の確認方法です。市販で購入できるドッグフードには、基本的に賞味期限が袋の裏側などに表記されていますよね。しかし、国産のものと海外の商品ではその表記方法が異なっています。日本では、賞味期限は「年/月/日」の順番に数字が並んでいますよね。しかし、イギリスでは日/月/年、アメリカでは月/日/年と順番が入れ替わっているので注意する必要があります!例えば、イギリス産の商品で04/03/20と表記されていれば、賞味期限は2020年3月4日となります。イギリスは日本と逆の、右からの表記になっていると覚えておきましょう。
また、製造番号なども一緒に表記されている場合も多く、どこが賞味期限なのか分かりづらいことがあります。そんな時には、数字の先頭に表記されているアルファベットを参考にしてみましょう。「BB(BEST BY)」「USED BY」といった英語が書かれていれば、そこが賞味期限の表記場所です。もっと分かりやすい見分け方をするのであれば、2020、2021などの西暦の数字がどこかにないか最初に探してみるという方法もあります。
輸入(外国製)のドッグフードの安全性は大丈夫なの?
さて、それでは肝心の安全性についてはどうなっているのでしょうか?自分の愛犬に外国製の良く分からないドッグフードを与えるのは、やはり抵抗があるものですよね。
そこで参考にして欲しいのが、ペットフードの安全基準で有名な「AAFCO」です。AAFCOはペットフードの適切な栄養基準やラベルの表記方法を定めるアメリカの団体で、通称「アフコ」と呼ばれています。監査や取り締まりなどを行うような団体ではありませんが、AAFCOは今や世界的に有名なペットフードの安全基準として広まっており、各国のメーカーが率先してその基準を満たすよう配慮しています。基準を満たすには、ワンちゃんに必要な栄養素を効率よく配合させる必要があるため、無駄なかさ増しや添加物を加えることはほとんどできません。そのため、AAFCOの基準を満たしているペットフードは、それだけで一定水準の品質や安全性が保たれていると言えます。ちなみに、日本で制定されている「ペットフード安全法」という法律も、この基準の影響を大きく受けています。
車や精密機械など、あらゆる面で産業が発展していて先進国のイメージが強い日本ですが、実はペットフードの分野に関しては海外と比較して大きく劣ります。そうした事情からも、海外で作られた基準であるAAFCOは信頼性の高い指標になります。この基準を満たしているかどうかというのは、ペットフードの安全性を確かめるのに大きく貢献してくれますよ!商品説明をよく読んでチェックしてみましょう。
輸入(外国製)のドッグフードには正規輸入品と並行輸入品がある
海外から商品を輸入する場合、その方法は大きく2つに分けられます。それが、正規輸入と並行輸入です。正規輸入では、ドッグフードのメーカーが代理店と直接コンタクトを取った上で商品の仕入れを行います。メーカーによって、輸出時における商品の管理方法や流通ルートなどが細かく決まっている場合も多く、代理店はそうしたルールに従って輸入された安全な商品を手に入れられるのが特徴です。
一方、並行輸入の仕入れ方法では、販売を行う業者がメーカーとコンタクトを取ることは一切しません。原産国にて独自で仕入れた海外メーカーのドッグフードを、個人や業者単位で販売するための輸入方法です。「コスト」を最優先に考えて仕入れるため、流通ルートや品質管理などは最安値で済むように最適化されます。そのため、並行輸入品は安く購入できるのが大きなメリットになりますが、安全性はほとんど確保されていないと言って良いでしょう。
例えば、流通ルートの違いひとつをとっても、食品の安全性は大きく変わります。食品は、日光や湿度の影響を大きく受けるものです。日差しの強い赤道付近のルートを船で通るとなれば、長時間日光を浴びて食品の酸化が促されてしまう恐れがあります。正規輸入品であれば、こうした被害を受けないよう細心の注意を払うため、遠回りをしてコストを掛けてでも流通ルートを変更するのが基本です。
また、ドッグフードの管理方法も全く異なります。正規輸入品なら、輸送中の周囲の気候変化に耐えられるよう、常時一定の温度を保てる専用のコンテナを使用するのが一般的です。商品の袋も、外部からの影響を受けにくい丈夫なものを使用します。しかし、並行輸入品だとコストを削減するために何の工夫もない普通のコンテナが使われたりします。商品の袋も薄くて脆いものを使用するなど、扱いが粗雑な場合があり、とても安全性が高いとは言えません。万が一に備えるためのメーカー保証も並行輸入だと受けられないので、まさに百害あって一利なし、と言えるほど様々なデメリットが存在します。並行輸入品は、そうした数々のリスクやデメリットを含んでいてもなお、どうしても安い値段で購入したい層に向けて販売されていると捉えるのが正しい認識です。値段が安いからと言って、何も考えずに手を出してしまわないように注意しましょう!
並行輸入品は、とにかく値段が安いのが特徴です。安いドッグフードを見つけたらすぐに購入するのではなく、まずは一度ネットで定価を調べてみましょう。極端に価格が安いようであれば、並行輸入品である可能性大です。また、正規輸入品ならそれぞれの輸入先に合わせてパッケージをその国の言語のものに変えるのが一般的です。海外の言語のまま売られている場合には、注意した方が良いかもしれません。
それから、賞味期限を見ることで正規輸入品であるか否かを確かめられる場合があります。正規輸入品では、一般的な賞味期限である1年後くらいの年月が表記されているはずです。しかし、並行輸入品の場合は独自のルートで色々な場所から商品をかき集めるという特徴があります。すると、必然的に賞味期限もバラバラになってしまうため、その違いから並行輸入品を見分けられる可能性があります。同じ商品で複数のドッグフードの賞味期限を確認して、ばらつきが確認できれば、並行輸入品とみて間違いないでしょう。
オススメの輸入ドッグフード3選
外国製のドッグフードは、正規輸入品であれば安全なものを手に入れられることがお分かりいただけたでしょうか?AAFCOのような安全基準も海外ではメジャーですから、国産よりもよっぽど安全な商品をゲットできる可能性だってありますよ!
それでは、実際にどのような商品を買えば良いのか、3つの商品を例におすすめのドッグフードを紹介していきますので参考にしてみてください。
・アカナ
カナダで製造されている「アカナ」は、犬に適した高たんぱくな成分が特徴のドッグフードです。そのたんぱく質の配合比率は群を抜いており、一般的な商品の2~3倍ほどとなっています。鶏肉を始めとした新鮮な素材をふんだんに使用しており、含まれているたんぱく質の9割近くが動物性のものと、活動的な犬にとって理想的な成分です。食べ盛りで、元気で活発なワンちゃんに最適なドッグフードとなっています。脂質もそれなりに含まれているので、体を大きくさせたい場合には向いていますが、脂肪が気になるワンちゃんには向いていません。
アカナは、こだわりのある自社のキッチンでドッグフードを製造している点も注目ポイントです。ほとんどのメーカーが製造を他社に任せる中、アカナは製造から販売まですべて自社で行っているので安心感があります。さらに、アカナのキッチンは多くの賞を受賞しており、その優良さがあらゆる形で公的に認められているのが特徴です。
公式サイト:http://www.acanafamilyjapan.jp/
ORIJIN
数々の賞を受賞した経歴を持つ、最高品質のドッグフードとして有名な「オリジン」は、肉を主体としたさまざまな食材をふんだんに使った高級品です。人間が食べられるレベルの良質なお肉や魚を使っているだけでなく、さらにその種類が豊富なのが最大の特徴。お肉は鶏と七面鳥のものを使用しており、加えてレバーや卵も入っています。魚ではニシンとサーモンが含まれていて、おなじたんぱく源でも豊富なバリエーションがあるという所が良いですね。豆類やニンジン・かぼちゃ、その他ハーブなども含まれており、ビタミンやミネラルも摂取できます。良質なたんぱく質を摂りつつ、野菜やハーブによって健康面も補えるので、まさにペットの理想のドッグフードと言えるのではないでしょうか。
ただし、高級品なだけあってお値段の方はそれなりに高めです。まずは自分の愛犬との相性が良いか確かめるために、お試し感覚でボリュームの少ない安い商品から始めてみることをおすすめします。ただ、オリジンは高品質な栄養が凝縮されたドッグフードですから、少量でも大きな満足感の得られる点が特徴のひとつです。コストパフォーマンス自体はそれほど悪くないですので、与える量を調整するなどして上手くご飯に取り入れて行くのが良いかもしれません。
公式サイト:https://www.orijen.net
ファインペッツ
業界では珍しい鹿肉をメインに使用した、オランダ原産のドッグフードです。「すべての犬に合うように」というコンセプトのもと作られているため、この会社で製造されているドッグフードは基本的にこれ1種類のみとなっています。つまり、それだけ研究開発が重ねられているこだわりの商品ということですね。
日本では鹿肉というと珍しい食材で高価なイメージもあるかと思いますが、お値段はそれほど張らず、お求めやすい価格となっています。鹿肉は低脂肪・高たんぱくであり、鉄分が豊富に含まれているのが特徴です。お肉は豊富に含まれているものの、ヘルシーなので太り気味なのが気になるワンちゃんにもおすすめできます。また、ファインペッツは消化吸収率が非常に高いペットフードです。少し食べただけでも大きな満足感を得られるので、コスパの良い商品となっています。普段通りの感覚でファインペッツのペットフードを与えると、栄養の過剰摂取になってしまうかもしれないので、その点だけ注意してください。
公式サイト:https://www.finepets.jp
まとめ
外国製の商品って、例えどんなものでも「国産でない」というだけで、不安に思ってしまうものですよね。しかし、ドッグフードに関しては海外の方が高品質なものが多いので、基本的には信頼できるものと考えて大丈夫です。正規輸入品であれば輸入の際も品質管理を徹底している場合が多いので、その点も問題ありません。それよりも、並行輸入品であるかどうかをチェックすることが大事です!今回、紹介した並行輸入品の見分け方やおすすめ商品を参考にしながら、ワンちゃんに合った正規輸入品のペットフードを見つけてみてくださいね。
このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪
みんなに役立つ情報をお届けします。