犬を飼う際に、子犬を迎えるご家庭は多いですよね。中でも気を遣いたいのはドッグフード選び。
子犬は犬の生涯の中でも最も急激に成長する時期です。良質な食事は、丈夫な身体をつくるために必要不可欠です。
今回は成長期の子犬にぴったりのドッグフードの選び方や、子犬の食事のポイントをご紹介します。
子犬の頃の食事の量
子犬の食事量は、身体の大きさや運動量、生活環境によって異なります。
子犬は消化器官も未発達のため、一度に多くの量を与えると、消化不良をおこすことともあります。
また、反対に空腹時間が続くと低血糖にもなりやすく、適切な量をこまめに与える必要があります。
適切な量は、ドッグフードの袋に記載されている量で問題ありませんが、寒い冬は体温を上げるため、より多くのエネルギー源が必要です。
長く散歩をしたり、多くの犬と触れ合ったりとエネルギー消費が多い場合なども、ドッグフードの量を調整すると良いでしょう。
一般的に生後4ヶ月頃までは、ドッグフードをぬるま湯でふやかし、柔らかくしたものを与えます。
食べやすくするだけでなく、水分を含ませることで水分補給にもなりますし、消化を助けるメリットもあります。
40度前後のぬるま湯をドライフードにかけ、指でフードを押し、芯までふやける程度で調整しましょう。
乳歯が生えそろってくる生後5ヶ月頃からは、柔らかさを調整し、徐々にカリカリの状態に慣らしていきます。
また、子犬の成長スピードはすさまじいもの。
毎日一緒にいると気づきにくいですが、こまめに体重を計るなどして、成長に合わせてドッグフードの量も増やすことが大切です。
「肥満になると大変」と、子犬の頃からダイエットさせる必要はありません。
少なくとも1歳くらいまでは、身体の成長のために高カロリーな食事が必要となるため、適正量を超えて与えたとしても問題ないでしょう。
ドッグフードの量は子犬の便の状態を見ながら調整しましょう。
便がゆるい状態であれば、軽い消化不良を起こしている証拠で「与えすぎ」であり、便が固く、ウサギの糞のようにポロポロしている状態であれば、「足りない・水分不足」のサインです。
さらに、子犬にドッグフードを与える際の注意点を小型犬・中型犬・大型犬別にまとめました。
小型犬
小型犬は身体が小さいため、一度に消化できるドッグフードの量は少ないです。
その分低血糖にもなりやすいため、4~6時間おきくらいでドッグフードを与えるといいでしょう。
口も食道も小さいので、フードはふやかすだけでなく、なるべく小粒の食べやすいドッグフードを選んであげたいですね。
中型犬
中型犬は運動量もあるため、フードの量には個体差も生じやすいです。
平均的な適正量とされていても、個体によっては、エネルギー量に対してドッグフードが足りていないこともありますので、運動量や成長度合いによって調整しましょう。
大型犬
大型犬は子犬でも大きめサイズですが、それからさらに大きくなるため、大量のエネルギーが消費されます。
大型犬の場合は1年半ほど、体重40キロ以上になる超大型犬の場合は2年ほどで成犬となります。
身体が大きい分、運動量も必要となるため、子犬の頃にたくさん栄養のある食事で、健康な身体のベース作りをしてあげたいですね。
子犬の食事の頻度は1日に何回?食事のタイミングは?
子犬は消化器官も発達途中のため、一度に消化吸収できる食事の量にも限界があります。
生後4ヶ月前後までは1日に3~4回に分け、ドッグフードを与えましょう。
それでも下痢や嘔吐をするようなら回数を増やし、生後6ヶ月くらいで1日2回にすることがベストです。
子犬の食事のタイミングは、朝起きてすぐと、お昼前後、夕方、夜がいいでしょう。
時間を明確に決めるより、4~6時間おきを目安にし、前回の食事から時間を空けないように気をつける必要があります。
子犬の時に摂取したい栄養素
犬は肉食動物のため、たんぱく質が一番重要な栄養素です。
もちろん脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどもバランス良く摂取することが大切ですが、特に子犬の時期は、食事から良質な動物性たんぱく質を摂取する必要があります。
動物性たんぱく質はお肉や魚などに含まれています。
また、たんぱく質を筋肉にするためにはカロリーも必要です。
そこで必要になる栄養素が脂質。脂質には体温維持をしたり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり
子犬が成長するために必要不可欠な栄養素です。
脂質が不足すると、皮膚トラブルの原因となったり、乾燥によりフケが出て、被毛の光沢も失われてしまいます。子犬は免疫力が低く、皮膚炎やアレルギーになると改善までに時間がかかることもあります。充分なカロリーが摂れる食事を与えましょう。
また、ビタミンやミネラルも、必要量は多くないものの、子犬にとって大切な栄養素です。
カルシウムなどのミネラル類は骨や歯を作る重要な役割があります。
手足が細い小型犬は、骨が脆いと骨折しやすくなるため、栄養バランスが偏ることがないようにしたいですね。
子犬がドッグフードを食べない時の対処法
ドッグフードへの食いつきは個体差があり、また環境の変化などで、一時的に子犬の食欲が落ちることもあります。
まだ身体の小さい子犬が、ドッグフードを食べない場合は心配になりますよね。
体調不良のサインの可能性もありますので、半日以上ドッグフードを食べないのであれば、動物病院で獣医さんに相談しましょう。
口の中を怪我していたり、出来物があると痛くて食べられないこともあります。
元気もあり、ドッグフード以外のものは食べるということであれば、与えているドッグフードの嗜好性が低いことも考えられます。
ドッグフードの嗜好性を高める工夫や、子犬がごはんを好きになってくれるようなしつけをしてみましょう。
犬用ミルクを使う
母犬と離れたばかりだったり、離乳食が終わったばかりという場合は、お湯でふやかしたドッグフードでは、味の変化がありすぎて食べないこともあります。
その場合は、犬用ミルクを少し温め、ドッグフードにかけて柔らかくしてみましょう。
ミルクなら離乳直後の子犬も口に運びやすく、馴染みのないドッグフードも食べてくれるかもしれません。
ぬるま湯でふやかす
ドッグフードは変えていないのに、ふやかすのを辞めてから食いつきが悪くなったのであれば、カリカリフードを少しだけふやかしてみてください。
子犬にもさまざまな性格があり、繊細な子であれば少しの変化にも敏感に反応してドッグフードを食べなくなることもあります。
焦らず時間をかけて、カリカリフードの割合を増やしていきましょう。
柔らかさだけでなく、お湯でふやかすことによってドッグフードの香りが立ち、嗜好性が高まるという効果もあります。
トッピングする
食欲そのものはある、ということであれば、ドッグフードにトッピングをしてみましょう。
ささみはたんぱく質も摂れますし、鶏肉は犬の消化にも優しい食材なのでボイルしたものが手軽でおすすめです。
犬用のトッピングフードも販売されているので、嗜好性を高めるという意味でも使用してみましょう。
ドッグフードの上にふりかけのようにして与えるのではなく、しっかりとドッグフードに混ぜるのがポイント。トッピングしただけだと、トッピング食材のみを器用に平らげる可能性もあります。
おやつ感覚で手から与え、食べたら褒める
食器に入れたドッグフードを食べないとき、一度食事を下げて、1粒ずつおやつを与える感覚でドッグフードを与えてみましょう。
子犬とコミュニケーションを取りながら、食べたら褒めます。
手から少し食べるようになったら、今度は食器に少量のドッグフードを入れて、オスワリやマテをさせながら与えてみましょう。食べるようになったら大いに褒めてください。
子犬によっては、食べる際の食器の音が苦手ということもあります。
食器の素材や食器の高さなども調整しながら、ごはんの時間が好きになるように、コミュニケーションでも工夫してみましょう。
わがままな犬に育てないように注意
犬は賢い動物です。
子犬が求める食材ばかり与えたり、おねだりされるがまま言いなりになってしまうと、嗜好性の高い食事だけを口にするようになってしまいます。
「食べないでいれば、もっと美味しいものが貰える」と学習すると、わがままな犬に育ってしまいます。
子犬がドッグフードを食べない場合は、「なぜ食べないのか」を考え、簡単にドッグフードや食材を変えるのではなく、工夫をしながら、わがままにならないように気を付けましょう。
子犬のドッグフード選びのポイントは?
ドッグフードを選ぶときは、「総合栄養食」と記載されているものを選びましょう。
この総合栄養食は、3大栄養素(たんぱく質、資質、炭水化物)のほか、ビタミン、ミネラルなどが犬にとってバランスよく配合されているものです。
多くのメーカーは、子犬用、成犬用、シニア用と年齢別に配合を変えたドッグフードを販売しています。1歳くらいまでは、子犬用・パピー用のドッグフードを選ぶといいでしょう。
子犬のドッグフード選びの大切なポイントは4つあります。
原材料をチェック
一般的に子犬用のドッグフードは、成犬用やシニア用に比べ、そもそも高たんぱく質、高カロリーとなっています。
しかし、たんぱく質の割合が高いだけでの理由で安易に選ぶのはご法度です。
ドッグフードの袋には原材料が明記されており、占める割合が高いものから順に記載されています。
原材料1位がチキンやラム肉、サーモンなどといった動物性たんぱく質の他、2位以降の割合もチェックしましょう。
1位は動物性たんぱく質であっても、2位以降の食材をトータルして考えると、例えば野菜の総量が動物性たんぱく質の総量を超えているケースもあります。
また、「肉類」「ミール肉」などといった、何の肉が使われているかわからないものも、安全面を考えると不安が残りますので、避けた方が無難です。
グルテンフリー(穀物不使用)
市販されているドッグフードの多くに含まれている、小麦やトウモロコシなどの穀物は、植物性たんぱく質です。
犬は肉食動物のため、主食となるのは動物性たんぱく質。
しかし、肉や魚といった原材料はコストがかかるため、かさましとして小麦やトウモロコシなどが、原材料として使われています。
犬にとって穀物は必須の食材ではなく、穀物アレルギーを引き起こす原因となるため、なるべく穀物を使っていない、グルテンフリーを選ぶことが大切です。
ヒューマングレイド品質
ヒューマングレイドとは、人間も食べられるレベルで管理された品質の食材を使っているドッグフードのことです。
反対に言えば、「人間が食べられない食材を使って作られるドッグフードもある」ということ。
どちらのドッグフードが犬の身体に良いものかは明確ですよね。
発がん性のある人工添加物(BHA、BHT、エトキシキンなど)が含まれていない、無添加であるものも、ヒューマングレイドのドッグフードの特徴でもあります。
子犬におすすめの市販されているドッグフード
市販されているドッグフードは、なんといっても価格の安さがメリットとして挙げられます。
安いからといって、必ずしも悪い原材料ばかり使っていることはありません。
日本で販売されているドッグフードは、「ペットフード安全法」で安全性は守られており、健康に害のあるものは配合できないように、または基準値を下回るように管理されています。
手軽に購入できる市販ドッグフードのうち、子犬におすすめのドッグフードを3つご紹介します。
ニュートロ
素材にこだわって作られているニュートロはたっぷりとチキンが使われています。
グレインフリーでこそないものの、アレルギーになりにくい玄米、お米などを使っています。
安価な大豆や小麦より栄養価も高いため、栄養面からもおすすめです。
ピュリナワン
チキンが原材料に使われているピュリナワンは、合成着色料、香料を使用していません。
また、母乳に含まれる天然DHAを配合しており、子犬の目や脳の発達をサポートしてくれます。
カークランド
大型スーパー、コストコで販売されているカークランド。
コストパフォーマンスが良いだけでなく、パピー用はチキンとライスを中心として配合されています。
穀物も、アレルギーを起こしにくい玄米やお米を使っているため、比較的安心に与えられますし、コストコらしく大容量のため、多頭飼いのご家庭におすすめです。
子犬におすすめのプレミアムドッグフード3選
大切な愛犬の毎日の食事は、やはり安心安全なものを選びたいですよね。
プレミアムドッグフードは市販品より値は張りますが、それだけこだわりの原材料と品質があります。
栄養価が高くグレインフリー、ヒューマングレイド、無添加のプレミアムドッグフードの中から、子犬におすすめのドッグフードを3つご紹介します。
モグワン
モグワンは生後4ヶ月以上の全ての犬に与えることが出来ます。
チキンとサーモンが原材料の53%を占める、高たんぱく質ドッグフードです。
小粒サイズのため、子犬から高齢犬まで食べやすい仕様になっています。
年齢でドッグフードを変える必要がないのも嬉しいですね。
モグワン ドッグフードについて詳しく見る
カナガン
チキンが原材料の51%を占めるほか、消化吸収に良いサツマイモやジャガイモといった腸内環境を整えてくれる食材が使われています。
また、カナガンは脂質も17%と高カロリーなため、エネルギーが必要な子犬にぴったりのドッグフードです。
ファインペッツ
ファインペッツの主原料は鹿肉、鶏肉となっています。
これらの動物性たんぱく質は、原材料の80%を占めています。
子犬から老齢犬まで全年齢対象のドッグフードですが、消化吸収率は87%という消化の良さで、消化器官が未発達の子犬にも安心して与えることができますね。

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