佇まいから美しく高貴な雰囲気を纏うボルゾイに憧れる愛犬家は世界中にいます。そんな美しいボルゾイを飼う時、最初に揃えておきたい飼育グッズや、ボルゾイの値段・色・気を付けたい病気などについて紹介します。
ボルゾイを飼う時に揃えたい飼育グッズ
ボルゾイを家族として迎え入れる前に準備しておきたい飼育グッズを紹介します。ひとつずつ詳細を見ていきましょう。
トイレグッズ
ボルゾイを家に迎え入れた瞬間から必要なのがトイレです。
大型犬用のトイレトレイ、ペットシーツ、掃除用の消臭剤を準備しておきましょう。
トイレはとにかく失敗させないのが一番!飼い主さんが手伝って、とにかくトイレトレイの上で排泄させるのが第一歩です。
何度も繰り返しトイレトレイの上で排泄させ、排泄できたら褒め、徐々に自力でトイレに行けるように練習します。
トイレの場所を分かりやすくし「トイレはここ!」と一目瞭然にするためにも、トイレトレイを使ってください。もし、失敗したら犬には何も言わず、犬を無視して素早く掃除してください。
犬には排泄物の臭いがする場所に繰り返し排泄する習性があるので、失敗したら必ず消臭剤で臭いを消すようにしてくださいね。
広めのサークル
留守番をさせたり、来客時に空間を区切ったり、乳幼児が居る家庭で生活空間を分けたりするのにサークルは有用です。ワンちゃん専用のリラックススペースを作るのにも使えるので、大型犬用のサークルを準備しましょう。
できれば、サークルの中をトイレスペースとリラックススペースに分けられるタイプがおすすめ。他の空間と明確に仕切られたサークルの中はトイレとして認識しやすいので、トイレトレーニングがスムーズに進みますよ。
また、子犬の頃からサークルに入って静かに過ごす習慣を付けておくと、成犬になってから「ソファを占領される」「食事の時にテーブルに飛び付いて人の食べ物を食べる」「宅配便が来ると玄関へ走って吠える」といった問題行動で悩まずに済みます。
人の子に子ども部屋があるように、ワンちゃんにもサークルで囲んだ専用エリアを付くってあげましょう。
大きいクレート
クレートは、通院や外出時に使用するワンちゃんキャリーです。
大型犬の成犬は力が強く、暴れると人が太刀打ちできませんから、子犬の頃からしつけておいて、自分でクレートに入るように習慣づけたいもの。
広いサークルの中にクレートを置き、そこを寝室のように使うと「クレート=リラックススペース」と考えるようになります。
クレート内でリラックスできるようになっていると、動物病院へ行った時もワンちゃんは緊張しません。しかし通院する時にだけクレートを使っていると「クレート=病院」というマイナスイメージが付いてしまい、クレートを嫌がるようになります。
ワンちゃんがクレートに入れるようになると、旅行もできるようになりますし、万が一、災害で避難する時もスムーズに避難できます。できるだけ日常的に使って慣らしておきましょう。
ブラッシンググッズ
ボルゾイは絹のような長いオーバーコートと、皮膚に密着して生えている綿毛のようなアンダーコートに覆われています。
ブラッシングで毛を綺麗に保たなければ、ノミやダニが寄生したり、皮膚炎になったりするリスクが高くなります。
スリッカーブラシ、コーム、獣毛ブラシの3本のブラシがあるとベスト!毛玉やもつれは丁寧に解し、スリッカーブラシで全身の毛を梳いた後、コームや獣毛ブラシで仕上げます。
毛並みの美しさはボルゾイの美しさに大きく影響しますので、ブラッシングは毎日行いたいものです。
噛んでいいオモチャ
子犬は歯が生えてくるとむずがゆさを感じ、色々な物を噛むようになります。しかも、子犬の頃に噛んでいたものは成犬になってからも噛んで良いと考えてしまうので、必ず噛んでいいオモチャを与えるようにします。
噛むのはオモチャ。オモチャ以外は噛んではいけない。これを子犬の頃から教えなければ、成犬になってから人を噛む犬になってしまいます。
大型犬は、ロープ状のオモチャを噛んで引っ張り合いっこをするのが好きです。勘でもいいオモチャを利用して楽しい時間を作ってあげてください。
なお「カルシウムを補うため」といって骨を囓らせる方がいますが、骨は破片を飲み込むと内臓の粘膜を傷付ける危険があります。
破損の心配がないオモチャを与えるようにしてください。
ドッグフード
ドッグフードはワンちゃんの購入元(ペットショップやブリーダー)にこれまで与えていたものを確認してから購入します。
いきなり新しいフードを与えると下痢をしたり、お腹の調子を悪くする原因になりますから、新しいフードに切り替える場合は、ほんの少しの量ずつ置き換えるようにし、二週間くらいかけて完全に変えるようにしてください。
飼う時に気を付けたいこと。外飼い?室内飼い?
ボルゾイは室内飼いに向いている犬です。
ボルゾイは感覚が敏感で、シャイ。デリケートな性格をしています。でも、信頼できる人と思う存分遊び、甘えるのが好きな犬でもあります。ですから飼い主さんが側に居てあげるのがベストです。
室内にケージを置いて独りでリラックスできるエリアを確保し、同じ家の中で一緒に過ごしてあげてください。
もし外飼いするなら、空調が効いた広い犬小屋を作り、その中で飼うようにします。ボルゾイは日本の夏が大の苦手です。熱中症のリスクが高くなるので、必ず空調が効いた部屋を作ってあげましょう。
なお、散歩は朝夕1時間ずつ必要です。できれば、走る時間を作ってあげましょう。さらに、リードなしで自由に全力で走り回る機会も週2~3回作ってあげたいもの!
自由に駆け回る時間がないとストレスが溜まり、心身の健康によくないので注意してください。
ボルゾイの色の種類
ボルゾイはどんな毛色もOKの犬です。
ほとんどのボルゾイが、ホワイトの毛にブラックやレッドなどの模様が入る2色の毛色です。ホワイトの体にブラックとタン(褐色)が入った3色の毛色(トライカラー)も居ますね。セーブルという、淡い色の毛に黒の毛が混じったタイプも居ます。
いずれにせよ、複数の色(淡い色+濃い色)のボルゾイが多く、単色はあまり居ません。
というのも、ボルゾイの毛色を決める遺伝子は、濃い色を発現するものが優性です。ですから、大抵、濃い色が混ざるようになっていて、淡い色の毛色だけのボルゾイは少ないです。
ホワイト一色や、ソリッドシルバー(シルバー一色)のボルゾイは非常に珍しく、滅多にお目にかかることはできません。
ブリーダーも、劣性遺伝子を持つもの同士を掛け合わせて繁殖させることはしませんから、淡い色一色のボルゾイはなかなか望めません。
隔世遺伝や突然変異等で珍しい色のボルゾイが生まれた場合は、高価になる傾向が強いので希望する方は値が張ることを覚悟しておきましょう。
もし、淡い色のボルゾイの子犬ばかりを扱うブリーダーが居た場合は、劣性遺伝子同士の繁殖をするなど、不適切な交配をしているブリーダーの可能性があります。そうしたブリーダーは繁殖の知識が浅いか、動物愛護の精神がない可能性があるので、購入を控えた方が無難です。
ボルゾイの値段
ボルゾイはペットショップではほとんど見かけない犬種で、ブリーダーから購入するのが一般的です。
ボルゾイは10~30万程度の値段で売られており、可愛さ・月齢・毛色などによって値段が違います。日本では幼ければ幼いほど高値が付く傾向にあり、毛色も珍しい色は重宝されて高くなります。また、特別可愛かったり、愛でるほどブサイクだったり、なにかしら特徴がある犬も高値になります。
ただ、ペットショップで購入する場合は6~9月が安くなる傾向にあります。ブリーダーは年中、あまり値段が変わらないのですが、子犬の数が減ると値段が上がる傾向にあります。
ブリーダーで購入するときは、購入者がブリーダーの元へ出向いて購入の契約を交わし、購入者自身が子犬を連れ帰ったり、輸送費を負担したりしなければならないことが!犬の価格以外のコストがかかり、ブリーダーで購入する方が高くなることもあります。
ブリーダーからボルゾイを購入する場合は、犬舎の場所や購入時の送迎、遺伝子検査やワクチン代などの負担などを必ず事前に確認しておきましょう。
こうした費用面はペットショップの方が分かりやすく、安価になることもあります。
ボルゾイがなりやすい病気と予防
ボルゾイは遺伝病が少ない犬ですが、次のような病気になりやすいので予防するようにしてください。
熱中症
ボルゾイはロシア原産の犬です。ロシアの極寒の冬に耐えられる体をしていますので、日本の高温多湿の夏はとても辛い季節になります。
ボルゾイを飼う時は24時間エアコンを使い、人が「肌寒い」と感じるくらいの室温を維持するようにします。また、夏場は昼間の散歩NGです。日が落ちて暑さが少し和らいだ時に散歩しましょう。
なお、散歩中も常に好きなだけ水を飲めるようにしておきます。ボルゾイは一度、体温が上がるとなかなか下げられません。体温が高い状態が続くと命に関わりますので、熱中症にならないよう注意が必要です。
胃捻転
胃捻転はボルゾイの寿命を縮める病気と言っても過言ではありません。
胃捻転は、胃が捻れて向きが変わり、内容物が腸の方へ流れていかず、発酵してガスが溜まったり、胃腸がダメージを受けたりする病気です。早期に発見して処置をしなければ命を落とすこともあります。
大型犬を悩ませる胃捻転は、一度発症すると繰り返す特性があります。「早食い」「ドカ食い」をせず、食後数時間経ってから運動するなどの日常的な配慮が欠かせません。
もし、食後に元気がない、吐きそう、お腹が膨らんでいる、苦しそうといった症状が見られたら直ぐに動物病院へ!胃捻転は一刻を争う病気なので様子を見たりせず、異変に気付いたら直ぐ獣医師に診てもらってくださいね。
皮膚病
ボルゾイは皮膚病にも注意が必要です。
ノミやダニが寄生して起こる皮膚炎や、食べ物が原因のアレルギー性の炎症、ストレス性の皮膚炎など、様々な皮膚炎があります。
ノミやダニは部屋の掃除や毎日のブラッシングでケアしていきましょう。食べ物のアレルギーは血液検査で分かりますし、アレルゲンになるものが分かっている時はドッグフードのパッケージをよくチェックして、アレルゲンが含まれていないものを選んでください。そして「人の食べ物を食べさせない」というのも重要です。
皮膚の痒みは夜も寝られず、強いストレスになります。皮膚や毛がボロボロになることもあるので、皮膚炎に注意し、もし分かった場合は直ぐに動物病院へ行ってください。
外耳炎
ボルゾイは垂れ耳です。耳が垂れていると、耳の穴に湿気や汚れが溜まりやすく、病気の温床になることがあります。
耳をめくって通気性を良くし、耳の掃除を定期的に行って清潔に保ちます。時々、犬用の耳洗浄液を耳に垂らし、耳の根元に触れて耳掃除をしてみてください。
耳の掃除に綿棒は使いません。耳の洗浄液で濡らしたコットンで汚れを丁寧にぬぐい取ります。
定期的に耳の掃除を行うことで、外耳炎を防ぐようにしてください。
骨折
ボルゾイといえば細くてスタイリッシュなボディが目に付きますよね。華奢で長い足が美しいもの!
しかし、その見た目が裏目に出て、骨折のリスクが高いのも事実です。特に年齢を重ねてくると、ちょっとした段差や、なにかの拍子に転んだりして骨折することが!
シニア犬になってから骨折すると予後がよくなく、介護が必要になることもあります。室内に滑る原因となるマットを敷くのを止めたり、階段などの段差を無くしたり、爪をカットするといった対策を取るようにしてください。
ボルゾイにお薦めのドッグフード
ボルゾイを飼う時に良質のドッグフードは欠かせません。お勧めのドッグフードを3つ紹介します。お勧めポイントと一緒に紹介するので参考にしてください。
アボダーム ラム&ライス 12kg
https://item.rakuten.co.jp/dog-kan/9217265/
高タンパク低脂肪のラム肉を豊富に使用したお腹に優しいドッグフード。ワンちゃんに与えても大丈夫なアボカドの果肉やオイル、亜麻仁が入っていて、質の良い脂肪を取ることができ、皮膚の新陳代謝や毛艶に期待できるので、ボルゾイにおすすめです。
酸化防止剤や防カビ剤、防腐剤が使われていないので、開封したら一か月以内に食べきるようにしたいドッグフードです。
亀
https://item.rakuten.co.jp/auc-natural/10000000/
食べ物が持つ風味や美味しさ、酵素を損なわないよう、低温で加工された国産のドッグフードです。
エネルギー源となる炭水化物は有機栽培された米、タンパク質源は低カロリー高タンパクのラム肉や、九州産の豚、国産の鶏ササミ肉が使われていて、ミール類や動物性油脂は含まれていません。またミネラル類も豊富で、お腹に優しい作りなのも魅力です。
化学合成添加物も不使用なので、添加物に敏感な飼い主さんでも安心して食べさせられますよ。
ACANA アダルト・ラージ・ブリード
https://item.rakuten.co.jp/rakuten24/e460008h/
とにかく肉にこだわり、豊富なタンパク質を重視する飼い主さん向けのカナダのドッグフードです。運動量が多いワンちゃんや、効率良くエネルギーを得たいワンちゃんに特にお勧め。
犬の祖先であるオオカミは動物を丸ごと食べていたことを鑑み、肉や内臓、骨の成分をバランス良く含んでいるフードです。
少ない量で効率的にエネルギーを得られるフードなので、小食のワンちゃんにも向いています。
まとめ
ボルゾイは走るのが大好きな大型犬で、子犬の頃からしつけをしっかりしたいワンちゃんです。
飼う前からサークルやクレートを準備し、トイレトレーニングも家族として迎えたその日から実践できるように準備しておきましょう。ブラッシンググッズや噛んでも大丈夫なオモチャも用意しておきたいものです。
熱中症になりやすいボルゾイは室内飼いがおすすめ。胃捻転や皮膚病、外耳炎などにも注意が必要です。
フードは低脂肪で高タンパク、脂肪もバランス良く摂れるものを選ぶといいですよ。運動量が特に多いワンちゃんには、カロリーが高いフードを選んであげてください。
ボルゾイは飼うのにちょっとコツがいるワンちゃんですが、美しさでは他の追随を許さない犬です。優雅でアクティブなドッグライフを送ってくださいね。

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