下痢は、何らかの原因で便の中の水分が増え、充分に固まらず排泄された状態の便の総称です。
「便は健康のバロメーター」と言われるように、犬の便の状態は毎日チェックしておきたいところ。
犬の下痢は比較的多くみられるもので、一過性であることも多いのですが、重大な病気のサインの可能性もあります。
下痢の原因、対処法、腸内環境を整えるおすすめのドッグフードをご紹介します。
犬が下痢になる原因
犬が下痢になる原因はいくつか考えられます。
犬の腸はわたしたち人間と同じように小腸と大腸に分かれています。
食べ物は小腸で消化吸収され、その後の大腸で水分量を調整され便として排泄されます。
小腸、大腸いずれかのはらたきが悪くなったときに下痢になりますが、考えられる原因は以下の通りです。
食べすぎ
普段より食べる量が多いと、一度に消化することができず、腸に負担がかかり下痢をすることがあります。
犬は、食べ物を満腹になるまで急いで食べるという習性があります。
これは犬が野生で暮らしていた頃、狩りが成功しなければ、いつ次の食事にありつけるかどうかわからなかったことから、食べられる限界量を、横取りされないように早く食べる必要があったからなんです。
しかし、人と暮らす犬であれば朝晩の食事は確保されていますし、犬の体重によりおおまかなドッグフードの適正量があります。
同様に、おやつの与えすぎも下痢の原因になることも。
つぶらな瞳でおねだりされると、ついついあげたくなってしまいますが、愛犬の健康のためにも、おやつの量も飼い主さんがコントロールすることが大切です。
消化しづらい食べ物
犬は本来肉食動物でした。
そのため、野菜や果物などの消化に適した体のつくりをしていません。
犬に与えても問題ない食べ物もたくさんありますが、消化しづらい食べ物を多く与えたり、食事を丸のみするため玄米などの穀物、豆類といった消化しづらいものを食べることで下痢をすることがあります。
「総合栄養食」と記載されているドッグフードは、犬にとって必要な栄養素が配合されています。
いつもと違う食事や、手作り食にする場合は、なるべく犬が消化しやすい食材を選ぶといいでしょう。
ドッグフードやおやつの切替え
新しいものを与えるタイミングで、犬が下痢をすることがあります。
ドッグフードやおやつに含まれる原材料への食物アレルギーの反応として、下痢をすることもあります。
急にこれまでの食事と異なるドッグフードに変更すると、体がびっくりして下痢をすることもよくあります。
犬の味覚はあまり発達していないため、ドッグフードの味が気に入らないのではなく、嗅覚でにおいの変化を感じて食べないこともあります。
ドッグフードの切替えをするときは、少しずつ様子をみながら行いましょう。
ストレス
わたしたち人間も、ストレスでお腹が痛くなるなり下痢をすることがありますよね。
犬も同じで、ストレスを抱えると腸内の悪玉菌が増殖し、腸の昨日が低下し、下痢をすることがあります。
季節の変わり目、引っ越しや家族が増えた、生活環境の変化など、慣れない環境にストレスを感じている可能性も。
ストレスが原因で免疫力が下がり、病気にかかりやすくなったり、精神的に不安定になることもあるため、思い当たるストレスはなるべく取り除いてあげるといいですね。
病気・中毒
下痢は、多くの病気や中毒の症状としてあらわれる体調不良のサインです。
内臓疾患をはじめ、ウイルス・細菌感染、中毒症状としても下痢がみられることもあります。
食べ物が腐りやすい季節の衛生管理や、犬にとって中毒を引き起こす食べ物を与えることも命取りになることも。
病気が原因の場合は早期発見がカギです。
思い当たる原因もなく、下痢が続く場合は早めに動物病院に相談することが大切です。
犬の下痢の原因別対処法
犬が下痢をしたとき、どのような対処法があるのでしょうか。
半日~1日様子を見る際、なるべく犬の体に負担がかからない対処法で、症状の改善をサポートすることが大切です。
消化不良にはプチ断食
消化不良を起こしている場合、新たに食事を摂ってもうまく消化できず、下痢を繰り返し腸に負担がかかりやすくなります。
そのため、半日~1日ほど食事は与えず、お水のみ飲める状態にしておくプチ断食がおすすめです。
一度腸のはたらきを休め、24時間ほど時間を空けたあと、お湯でふやかしたドッグフードを少量与え、徐々に戻すようにしましょう。
脱水を防ぐため、新鮮な水をいつでも飲めるようにする
下痢には水分が多く含まれています。
健康な便の状態であれば、大腸の中で便から吸収した水分は犬の体に使われるはずですが、下痢となり排泄されてしまうと、犬の体は脱水状態に陥ることがあります。
特に、頻繁に下痢をする場合や、嘔吐の症状が出ている場合には注意が必要です。
脱水症状は重篤化すると命にかかわりますので、新鮮なお水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。
冷えは大敵、体を温める
愛犬が下痢をしたときは、なるべく体を冷やさないようにすることが大切です。
季節の変わり目など気温の変化で下痢をしやすい場合、体を温めたり、愛犬が過ごす場所の温度を保ったりと工夫してあげましょう。
体を温めることでストレスも緩和されると言われており、下痢の時は特にお腹周りを冷やさないように注意が必要です。
ドッグフードの切替え時は下痢に注意!
ドッグフードの切替えの際、下痢になることは珍しいことではありません。
ドッグフードにもたくさん種類があり、原材料や栄養素なども違いがあります。
とはいえ、犬の体質や好みに合うか合わないかは与えてみないとわからないですよね。
ドッグフードを切替える際には、下痢などの体調不良がないかチェックしながら、以下のポイントに注意しましょう。
ドッグフードは少しずつ切替える
食べなれたドッグフードから新しいドッグフードに切り替える際、下痢になる原因の1つが、急にドッグフードを切り替えることによる消化不良が挙げられます。
一気に切り替えるのではなく、まずは従来のドッグフードの中に、新しいドッグフードを1割ほど混ぜて与え、少しずつその割合を増やしていきます。
少なくとも1週間~10日ほどかけて徐々に切替えることが大切です。
切替え期間も便の様子をチェックし、便の状態が良好であれば完全に切替えましょう。
新しいドッグフードを少しずつ体に慣らしていくことで、急な切替えによる下痢を防ぐことができます。
ドッグフードを切替えて下痢になったら
切替え中に下痢の症状がみられたら、直ちに元のドッグフードに戻すようにしましょう。
下痢がひどい場合は1日ほど断食させ、様子を見ながら回復を待ちます。
再度同じドッグフードへ切り替える際は、便の状態が完全に良くなった後、前回より新しいドッグフードの割合を少な目にした上で、再挑戦するようにしましょう。
それでも同じ症状が出るようであれば、新しいドッグフードが体質に合わない可能性もあります。
無理に切替えはせず、別のドッグフードを検討した方がいいですね。
まずはお試しサイズを購入しよう
ドッグフードの切替えを検討しているなら、まずはお試しサイズを購入し、愛犬の体に合うドッグフードかどうかを見極めましょう。
下痢をしたり食いつきが悪かったりすることもありますので、まずはお試しサイズや少量を購入し、試してみてはいかがでしょうか。
切替えがうまくいかなかったときのことも考え、食べ慣れたフードが無くなる間際に切り替えるのではなく、今食べているドッグフードの残りが充分ある状態で挑戦すると安心ですね。
お試し(体験)セットが売っている国産無添加のドッグフード一覧・申込みまとめ - dogfood-tsushin.com |
下痢が続くようなら動物病院へ
ドッグフードの切替え時、下痢だけでなく、嘔吐、痒みなどがおきている場合は、食物アレルギーを起こしている可能性があります。
下痢だけでなく他にも気になる症状が出ている場合は、まずは動物病院に相談しましょう。
腸内環境を改善してワンちゃんの下痢を予防
犬の体にある免疫細胞の約60%が、腸内にあると言われています。
腸内の機能が低下すると、免疫細胞のはたらきも弱まり、侵入してきたウイルスや病原菌、がん細胞に侵されやすくなります。
腸内には善玉菌と悪玉菌と呼ばれる菌が存在しており、何らかの原因により悪玉菌が増え、腸内細菌のバランスが崩れることで下痢がおこります。
善玉菌が増えすぎても、悪玉菌が増えすぎても腸の働きが低下するため、腸内環境を整えておくことが下痢の予防に繋がります。
犬の健康を守る役割を担う腸。
腸内環境を整え、下痢を予防するための方法をご紹介します。
ヨーグルト
犬はヨーグルトが大好物です。
ヨーグルトには乳酸菌の他、発酵により多くの酵素が含まれていて栄養満点。
犬には乳製品の消化に必要な、ラクターゼ(乳糖分解酵素)の分泌が少なく、乳製品を与えると下痢を引き起こすことがよくあります。
しかし、ヨーグルトなら発酵の段階で乳酸菌により乳糖が分解されているため、ヨー下痢になりづらいと言われています。
ヨーグルトによって含まれる乳酸菌の種類もさまざまですが、普段飼い主さんが食べているもので問題ありません。
犬に与える場合は、無糖のもので果物などが加えられていない、プレーンタイプを選ぶといいでしょう。
目安としては、小型犬で小さじ1杯ほどの量を与え、1週間ほど続けて下痢などがおきなければ、ヨーグルトを与えても問題ない体質と言えます。
乳酸菌入りのおやつ・サプリメント
犬用のおやつやサプリメントも一般的になってきましたが、乳酸菌の配合された商品もあります。
先述した乳糖分解酵素の分泌が少なく、ヨーグルトでも下痢になってしまうというワンちゃんにもおすすめです。
乳酸菌は胃酸に弱く、腸に届く前に死滅してしまうこともあります。
おやつやサプリメントであれば、乳酸菌を生きた状態で腸内に届けることを目的としている商品が多くありますので、愛犬の健康食品として人気があります。
細かく刻んだ野菜や果物
肉食動物である犬は、野菜や果物の消化が得意ではありません。
しかし、野菜や果物には腸内環境を整える成分が含まれているものがあります。
キャベツには食物繊維や食物酵素が豊富に含まれていますし、りんごに含まれるペクチンには、善玉菌を活性化させる作用があります。
与えすぎは逆効果ですが、細かく刻んだりすりおろしたりして、おやつとして適量与えるといいでしょう。
下痢をしやすいワンちゃんにおすすめのドッグフード3選
体質的に消化器系が弱く、下痢をしやすいワンちゃんもいます。
そうした場合は、なるべく体に負担がかからないものを選びたいですよね。
そんなデリケートなワンちゃんにおすすめのドッグフードを、3つご紹介します。
メディコート 腸内フローラ
腸内で善玉菌を増やす「バイオジェニックス」と、善玉菌のエサになる「プレバイオティクス」が配合されたドッグフードです。
バイオジェニックスは、乳酸菌や納豆菌から抽出した腸を元気にする成分で、プレバイオティクスは善玉菌の栄養分となる成分。
腸内細菌のバランスが良くなると、下痢の予防だけでなく、毛ツヤが良くなるなどの効果も期待できます。
毎日のドッグフードで腸内環境を整えることが出来たら嬉しいですよね。
http://www.petline.co.jp/medycoat/lineup/floracare/
JPスタイル 和の究み
食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌を配合し、健康な腸を保つために作られたドッグフード。主原料はすべて国産にこだわっており、香料・着色料も使用していないプレミアム品質です。
小粒で食べやすく、お腹が弱くなってきたシニア犬にもピッタリです。
https://www.nisshin-pet.co.jp/jp-style/dog/
いぬはぐ
総合栄養食のドッグフード「いぬはぐ」は、ワンちゃんの腸内フローラを良好に保つための”菌活”に着目している点がとても特徴的で、
乳酸菌やオリゴ糖、リンゴ、玄米など、腸内環境の改善に役立つ食物や成分が配合されています。
原材料はヒューマングレード、人工添加物は不使用なので安心してワンちゃんに与える事ができますね。
総合栄養食ドッグフード「いぬはぐ」 - dogfood-tsushin.com |
乳酸菌入りドッグフード4選。犬の腸内フローラの改善方法も解説 - dogfood-tsushin.com |